黒岩重吾さん 「西成山王ホテル」 ※本の紹介

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2018年8月16日 23:36

 

「西成山王ホテル」を読み終わった。
20代前半の頃、今から7、8年前にそのあたりでバーテンやホストをしていた頃の事を思い出す。

 

ずっと関西に住んでいたので、出てくる地名もなじみのあるものが多く、そのせいもあって物語に没頭できた。

 

本の帯には「ここは大阪のどんづまり」とある。


本当にそうだと思った。自分も流れ着くようにして、7、8年前に来てしまった。

 

街はどことなく小便の臭いがし、排気ガスのせいか人々のため息か空気が澱んでおり、崩壊するんじゃないかというおんぼろな建物がならぶ。

(今は観光客用の安宿が出来て新しい建物も増えたようだ。)

 

しかし、どんな落伍者も受け入れてくれるような安心感もあったので、決して嫌いな街ではなかった。
あの街があったから今の自分があるといっても過言ではない。

 


『本当はこの世の中にいる人間のほとんどは社会性を取り繕っているだけで、立派な人間などいない。いるとすれば、守られ恵まれた環境で無知なまま奇蹟的に生きてきた者たちだけだろう。要するに、つまらない、鈍感な人間だ。』

この文章も心に染み入る。

 

5つの短編からなる本だが、何とも言えない、救いようのない話だった。
人間の弱さ、どうしようもなさが濃縮されている。

芥川龍之介先生の「蜘蛛の糸」を連想した。

 

 

 

明日は休み。たくさん勉強しよう。
もうすぐ子どもも産まれる。今の状況は昔と比べたら本当に幸せな状況だ。

この幸せに満足して大事にしないと、あの小説のようになってしまうような気がする。