2019年2月9日 23:00
村上龍先生の「55歳からのハローライフ」を読んでいる。
定年退職や早期退職、老後への不安などを綴った短編集だ。
それなりの立場にいて、部下からは尊敬もされ、会社という組織に守られていた人物が、何者でもなくなった時にどうするか。
お年寄りとまではいかないが、それに片足を突っ込んだ人の葛藤や心の叫びが書かれている。
その本を読んでいる時に目にした光景。
無人駅で券売機とおばあちゃんが言い合いをしているようだ。
「ボタンを選択してください。」(機械音声)
『急かさないで!!』(おばあちゃんの甲高いヒステリックな声)
~30秒後~
「ボタンを選択してください。」
『だから急かさないでよ!!イライラする』
~また30秒後~
「ボタンを選択してください。」
『●〇△▽▲□!!!!』(何を言っているかわからない叫び声)
『なんでこんな年寄りばかりが割を食う世の中になったんや!
昔みたいに駅員がいたら切符を買うのにこんなイライラしなかったのに!』
券売機自体がつい最近できたものでもないし、この駅も10年以上前から無人駅になっているのに…
この方は10年近くも絶叫しながら切符を購入していたのだろうか。
パソコンや携帯、スマホもそうだ。
最近はスマホやパソコンを持っていること、それが操作できることが前提の世の中になってきている。
その事に対し、店員の私に対し不満を延々と述べてくるお年寄りの方もいるが、それらの機器は昨日今日突然出てきたわけではない。
スマホやパソコンが世に出始めて爆発的に広まった時に、触れようとしなかった。適応していこうとしなかった。
そのつけが回ってきただけのように思える。
これを反面教師にして私は最新のデバイスを使いまくるミーハーなじじいになろうと思う。